【練習15】例を問う

【問題1】

 この先に何か目標もくひょうがあって、そこに向かっていくときにはモチベーション(注1)というのはどんどん高まっていくのだと思います。目標さえあれば、その目標に向かって、よし、こうしよう、ああしようとイメージをさきへ先へと進められる。成功せいこいする人たちはみんな、明日あしたこうしよう、明後日あさってこうしようと思った瞬間しゅんかん、実は頭の中で、明日、明後日の「こうしよう」を一足ひとあし先に、体感として身につけてしまっているのです。

 たとえば、まだ今日なのに、「明日は朝からりに行ってこうしよう」と思うと、もうその時点で頭の中では魚を釣っています。それがイメージ力なのです。つまり、明日じゃないのに情報を作ってしまってある。明日になったらそれをり出すだけなのです。成功する人たちというのは、だいたいそういうプラスのイメージをいつも働かせている。だから実際に目標達成たっせいするのです。

(注1)モチベーション:目的に向けて行動し、続ける力

【問1】「明日、明後日の『こうしよう』を一足先に、体感として身につけてしまっている」の例として、最も適切なものはどれか。

1. 「明日は上手に発表しよう」と思うのをやめて、今すぐに発表の練習を始める。
2. 「明日は上手に発表しよう」と思うだけで、実際にうまく発表している気分になる。
3. 「明後日は上手に発表しよう」と思うと、明日発表したくなる。
4. 「明後日は上手に発表しよう」と思わなくても、だれよりも上手く発表できる。

【問題2】

 小学校に上がるころ、ほとんどの人が聞いたり歌ったりした記憶きおくがあると思いますが、「一年生になったら」という歌があります。「一年生になったら、友だち百人できるかな」という歌詞かしなので、あれってけっこう強烈きょうれつなメッセージですよね。小学校の一年生になったら、友だちを百人つくりたい、あるいは百人友だちを作ることがのぞましいのだという、あんにプレッシャー(注1)を感じた人も多いのではないでしょうか。

 学校というのは、とにかく「みんな仲良なかよく」で、「いつも心がって、みんなで一つだ」という、まさにここで私は「幻想げんそう(注2)」という言葉を使ってみたいのですが、「一年生になったら」という歌に象徴しょうちょうされるような「友だち幻想」というものが強調される場所のような気がします。けれど私たちはそろそろ、そうした発想から解放されなければならないと思っているのです。

(注1)プレッシャー:精神的な圧力
(注2)幻想げんそう:実際にはないことをあるかのように想像すること

【問2】そうした発想から解放されなければならないとあるが、筆者のこの考えにしたがった行動の例として、最も適切なものはどれか。

1. クラスの仲間同士どうし、お互いのいい点を見つけ、対立が起きないようにする。
2. 一人で行動している子供がいたら、その子が仲間に入れるようみんなが努力する。
3. どうしても気が合わない相手がいたら、無理に話ををけしなくてもいい。
4. やりたくないのなら、クラス全員で決めた掃除当番などの仕事をしてもいい。

 

 

 

 

【答え】

【問1】
2. 「明日は上手に発表しよう」と思うだけで、実際にうまく発表している気分になる。

【問2】
3. どうしても気が合わない相手がいたら、無理に話ををけしなくてもいい。

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