【問題1】問いに対する答えとして最もよいものを一つ選びなさい。
スポーツをやる目的やかかわり方は種々多様である。オリンピックで金メダルを争うような熾烈なスポーツもあれば、勝敗はともかくみんなで楽しく遊べばよいというスポーツもある。健康のため、あるいはレクリエーションのためにというスポーツのある一方で、スポーツが仕事というプロスポーツも存在している。しかしやり方や目的は違え、どれもスポーツであることには変りはない。
レベルは違ってもスポーツはスポーツなのであり、そのレベルから少しでもうまくなり、強くなろうとするやり方は基本的には違いのないものである。頂点に通じる長い山道のどこを歩いているかの違いであり、けわしさや空気の薄さは上にいくほどつらくはなるが、歩いて進むことや歩き方には変りはない。そしてどこで立ち止まっても山の空気は新鮮で、景色は美しい。その人その人によって、どの高さで楽しんでもいいものだし、そして誰にでももう少し高く登ってみたいと思わせるのがスポーツというものなのである。
【問1】この文章で筆者が最も言いたいことは何か。
1. 登山は、どんな人でも楽しむことができ、誰もがより高いところを目指そうとする。 |
2. 登山というスポーツは、上にいくほど苦しくなるが、どこにも楽しさはある。 |
3. スポーツとは、どのレベルでも楽しさがあり、少しでも上達したいと思うものである。 |
4. スポーツにはさまざまなレベルがあるが、楽しくないものはスポーツではない。 |
【問題2】問いに対する答えとして最もよいものを一つ選びなさい。
なんかの本で読んだ話。ある山の麓(注1)で、おじいさんと孫が、山鳩(注2)の雛(注3)を育てていた。その山の反対側に、別のおじいさんと孫がいて、こっちは鷹(注4)の雛を育てていた。それぞれの雛が成長して、飛べるようになったんで、ある日、空に放してやった。そしたら、鷹が山鳩を食べてしまった。山のこっち側では、山鳩が喰われたって泣いた。向こう側では、鷹がはじめて餌を獲ったって喜んだ。ひとつの現象なのに、山のこっちと向こうでは、まるっきり正反対のことが起こったってことになる。
妙な話だけど、人生の喜びや悲しみは、根本的にそういうものだ。この世で起きることには、本来、何の色も着いていない。
そこに、喜びだの悲しみだのの色を着けるのは人間だ。
(注1)麓:山の下の部分
(注2)山鳩:山に住む鳥
(注3)雛:鳥の子供
(注4)鷹:肉食の鳥で、山鳩より大きい
【問2】の文章の内容として最も適切なものはどれか。
1. 住んでいるところが変われば、同じ現象でも違って見えるものだ。 |
2. 人生にうれしいことも悲しいこともあるのは、しかたがないことだ。 |
3. いくら人が喜んだり悲しんだりしても、起きたことはどうすることもできない。 |
4. 世の中で起きる物事は、立場によって見え方や意味が変わってくる。 |
【答え】
【問1】
3. スポーツとは、どのレベルでも楽しさがあり、少しでも上達したいと思うものである。
【問2】
4. 世の中で起きる物事は、立場によって見え方や意味が変わってくる。