【問題1】問いに対する答えとして最もよいものを一つ選びなさい。
図書館はどこへいこうとしてるのか。
こづかいが慢性的に足りなかった学生時代、ぼくは最寄りの図書館みっつを同時に利用し、週に十二冊の本を借りだしていた。そのころ読んだ本が、現在の仕事にどれだけ役立っているか、はかり知れない(注1)ものがある。図書館への感謝の気もち は、今でも深いのです。
それでも図書館によるベストセラーの購入冊数を知ったときは、あぜんとして(注2)しまった。話題のベストセラーだけを一館で十冊近くも買いこんでいるのだ。しかも賞味期限が切れたら、同じ本の在庫を抱えるのはスペースの無駄だから、抽選で来館者にあげてしまうという。
リクエストがある、予約待ちが長くなりすぎる。確かにいい分はあるだろう。でも、これがみんなの税金で支える図書館の理想的サービスなのだろうか。
(注1)はかり知れない:想像できない
(注2)あぜんとする:非常に驚く
【問1】この文章で筆者が最も言いたいことは何か。
1. 図書館の予約待ちが長くなりすぎているという今の状況を改善するべきだ。 |
2. 学生時代から利用している図書館の理想的サービスに対し、深く感謝している。 |
3. 図書館のサービスは、ベストセラーの本を何冊も購入することではないはずだ。 |
4. 図書館に何冊もある本を抽選で来館者にあげるというのは、いいサービスである。 |
【問題2】問いに対する答えとして最もよいものを一つ選びなさい。
「食べるために働く」という言葉があります。人が生存していくには、やはりお金がかかるのであり、お金を得るためには、やはり働かなくてはなりません。いまはさらに「働き甲斐」や「夢の実現」などが働くことの大きなファクター(注1) になっていますから、仕事があって、それが自分のやりたいことと一致していれば、言うことはないわけです。
でも、現実にはなかなかそうもいかなくて、目の前にあるのは希望とはまったく違うものだけれども、転職するのもたいへんだから、いやいや会社に通っているという人も多いでしょう。子供がいる人などはなおさら自分勝手(注2)もできず、毎日が我慢の連続かもしれません。ときには「お金さえあったら好きなことができるのに」「誰かオレを養ってくれないかな」という気持ちになることもあるのではないでしょうか。
ときどき「もし宝くじで三億円が当たったら、仕事をやめて遊んで暮らす」という言葉を聞くことがあります。たしかに、お金さえあれば働かなくていいような気がします。しかし――と、そこで私は考えるのです。もしお金があったら、人は本当に働くのをやめるでしょうか。案外、そうでもないのではないでしょうか。
(注1) ファクター:要素
(注2) 自分勝手:他人のことは考えず、自分の思いどおりに行動すること。
【問2】この文章で筆者が最も言いたいことは何か。
1. 人が働くのは収入を得るためだが、お金があっても、働き続けるだろう。 |
2. 人はやむを得ない理由で働いており、お金がたくさんあったら働かないだろう。 |
3. 子供がいる人は、金持ちになったとしても、子供のために働くのをやめない。 |
4. 人はお金のために働くのであり、お金があれば自分の夢を実現しようとする。 |
【答え】
【問1】
3. 図書館のサービスは、ベストセラーの本を何冊も購入することではないはずだ。
【問2】
1. 人が働くのは収入を得るためだが、お金があっても、働き続けるだろう。