【練習6】比喩・ほかのものにたとえる②

 【問題1】問いに対する答えとして最もよいものを一つ選びなさい。

  スポーツをやる目的やかかわり方は種々多様しゅじゅたようである。オリンピックで金メダルを争うような熾烈しれつなスポーツもあれば、勝敗はともかくみんなで楽しく遊べばよいというスポーツもある。健康けんこうのため、あるいはレクリエーションのためにというスポーツのある一方で、スポーツが仕事というプロスポーツも存在している。しかしやり方や目的は違え、どれもスポーツであることには変りはない。

  レベルは違ってもスポーツはスポーツなのであり、そのレベルから少しでもうまくなり、強くなろうとするやり方は基本的きほんてきには違いのないものである。頂点に通じる長い山道のどこを歩いているかの違いであり、けわしさや空気の薄さは上にいくほどつらくはなるが、歩いて進むことや歩き方には変りはない。そしてどこで立ち止まっても山の空気は新鮮しんせんで、景色は美しい。その人その人によって、どの高さで楽しんでもいいものだし、そして誰にでももう少し高く登ってみたいと思わせるのがスポーツというものなのである。

【問1】この文章で筆者が最も言いたいことは何か。

1. 登山は、どんな人でも楽しむことができ、誰もがより高いところを目指そうとする。
2. 登山というスポーツは、上にいくほど苦しくなるが、どこにも楽しさはある。
3. スポーツとは、どのレベルでも楽しさがあり、少しでも上達したいと思うものである。
4. スポーツにはさまざまなレベルがあるが、楽しくないものはスポーツではない。

【問題2】問いに対する答えとして最もよいものを一つ選びなさい。

 なんかの本で読んだ話。ある山のふもと(注1)で、おじいさんと孫が、山鳩やまばと(注2)のひな(注3)を育てていた。その山の反対側に、別のおじいさんと孫がいて、こっちはたか(注4)の雛を育てていた。それぞれの雛が成長して、飛べるようになったんで、ある日、空に放してやった。そしたら、鷹が山鳩を食べてしまった。山のこっち側では、山鳩がわれたって泣いた。向こう側では、鷹がはじめてえさったって喜んだ。ひとつの現象なのに、山のこっちと向こうでは、まるっきり正反対のことが起こったってことになる。

 みょうな話だけど、人生の喜びや悲しみは、根本的こんぽんてきにそういうものだ。この世で起きることには、本来、何の色も着いていない。

 そこに、喜びだの悲しみだのの色を着けるのは人間だ。

(注1)ふもと:山の下の部分
(注2)山鳩やまばと:山に住む鳥
(注3)ひな:鳥の子供
(注4)たか:肉食の鳥で、山鳩より大きい

【問2】の文章の内容として最も適切なものはどれか。

1. 住んでいるところが変われば、同じ現象でも違って見えるものだ。
2. 人生にうれしいことも悲しいこともあるのは、しかたがないことだ。
3. いくら人が喜んだり悲しんだりしても、起きたことはどうすることもできない。
4. 世の中で起きる物事は、立場によって見え方や意味が変わってくる。

 

 

 

 

【答え】

【問1】
3. スポーツとは、どのレベルでも楽しさがあり、少しでも上達したいと思うものである。

【問2】
4. 世の中で起きる物事は、立場によって見え方や意味が変わってくる。

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