【練習10】出張表現②

 【問題1】問いに対する答えとして最もよいものを一つ選びなさい。

 図書館はどこへいこうとしてるのか。

こづかいが慢性的まんせいてきに足りなかった学生時代、ぼくは最寄もよりの図書館みっつを同時に利用し、週に十二冊の本を借りだしていた。そのころ読んだ本が、現在の仕事にどれだけ役立っているか、はかり知れない(注1)ものがある。図書館への感謝かんしゃの気もち は、今でも深いのです。

 それでも図書館によるベストセラーの購入冊数こうにゅうさっすうを知ったときは、あぜんとして(注2)しまった。話題のベストセラーだけを一館で十冊近くも買いこんでいるのだ。しかも賞味しょうみ期限が切れたら、同じ本の在庫ざいこを抱えるのはスペースの無駄だから、抽選ちゅうせん来館者らいかんしゃにあげてしまうという。

 リクエストがある、予約待ちが長くなりすぎる。確かにいいぶんはあるだろう。でも、これがみんなの税金で支える図書館の理想的サービスなのだろうか。

(注1)はかり知れない:想像できない
(注2)あぜんとする:非常におどろ

【問1】この文章で筆者が最も言いたいことは何か。

1. 図書館の予約待ちが長くなりすぎているという今の状況を改善かいぜんするべきだ。
2. 学生時代から利用している図書館の理想的サービスに対し、深く感謝かんしゃしている。
3. 図書館のサービスは、ベストセラーの本を何冊も購入こうにゅうすることではないはずだ。
4. 図書館に何冊もある本を抽選ちゅうせん来館者らいかんしゃにあげるというのは、いいサービスである。

【問題2】問いに対する答えとして最もよいものを一つ選びなさい。

 「食べるために働く」という言葉があります。人が生存していくには、やはりお金がかかるのであり、お金を得るためには、やはり働かなくてはなりません。いまはさらに「働き甲斐がい」や「夢の実現」などが働くことの大きなファクター(注1) になっていますから、仕事があって、それが自分のやりたいことと一致いっちしていれば、言うことはないわけです。

 でも、現実にはなかなかそうもいかなくて、目の前にあるのは希望とはまったく違うものだけれども、転職てんしょくするのもたいへんだから、いやいや会社に通っているという人も多いでしょう。子供がいる人などはなおさら自分勝手じぶんかって(注2)もできず、毎日が我慢がまんの連続かもしれません。ときには「お金さえあったら好きなことができるのに」「だれかオレをやしなってくれないかな」という気持ちになることもあるのではないでしょうか。

 ときどき「もしたからくじで三億円が当たったら、仕事をやめて遊んで暮らす」という言葉を聞くことがあります。たしかに、お金さえあれば働かなくていいような気がします。しかし――と、そこで私は考えるのです。もしお金があったら、人は本当に働くのをやめるでしょうか。案外あんがい、そうでもないのではないでしょうか。

(注1) ファクター:要素
(注2) 自分勝手じぶんかって:他人のことは考えず、自分の思いどおりに行動すること。

【問2】この文章で筆者が最も言いたいことは何か。

1. 人が働くのは収入を得るためだが、お金があっても、働き続けるだろう。
2. 人はやむを得ない理由で働いており、お金がたくさんあったら働かないだろう。
3. 子供がいる人は、金持ちになったとしても、子供のために働くのをやめない。
4. 人はお金のために働くのであり、お金があれば自分の夢を実現しようとする。

 

 

 

 

【答え】

【問1】
3. 図書館のサービスは、ベストセラーの本を何冊も購入こうにゅうすることではないはずだ。

【問2】
1. 人が働くのは収入を得るためだが、お金があっても、働き続けるだろう。

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